小学校3.4年A部門・小学校3.4年B部門・小学校1.2年A部門・小学校1.2年B部門
審査員長の甲斐環先生に3.4年生B部門の講評用紙を検閲していただきました。
甲斐先生が最高点と最低点を付けた番号の方の講評用紙を回収し点数とコメントをお読みいただき、アドバイスをご教授いただきました。ほとんどの先生が点数も丁度良く、コメントも的確でした。
深く学びの多い懇親会となりました。懇親会で出た質問と回答の一部をご紹介します。
※「質問」は体験会参加の先生方 「回答」は審査員をされた先生方
質問
短い時間の中で演奏についてのコメントを書くのが難しかったです。先生方は演奏が始まると直ぐにコメントを書き始めておられましたが、コツなどがあれは教えてください。
回答 コメントを書くには聴くポイントがあります。 ①曲のキャラクターに沿って弾けているか ②拍子、拍感はあるか ③調性は感じているか ④呼吸、ブレスはあるか・座っていきなり弾く→ブレスをしていない場合が多い ⑤音色の美しさ ⑥フレーズの長さ→長い方が良い など、最初の4小節を聴けば、ほぼ全体が見えますので気付いたことをコメントに書きます。このポイントをだいたい決めていれば慌てることもなく、的確なコメントが出来ます。 質問
褒める、褒めすぎない!のバランスを教えてください。 回答 最近のお子さまは褒めてあげることがとても大切です。良い部分があれば思い切り褒めてそこをあげて、その後に気になる部分を書きます。決して最初から良くない部分を書かないよう注意が必要です。 例 ①****がとても良いですね。見事です。ただ、欲を言えば****をもう少し研究してみると更に良い演奏になると思います。 ②良いテンポですが、少し拍感がないかもしれません。 ③良く弾けていますが、****が足りないようです など、参加者のやる気を引き出すように、否定から入らないで良い部分を伸ばしてあげるようにコメントしましょう。良くない部分も断定した言葉は使わないように配慮しましょう。 質問 伝え方が難しい項目についてのコメント法を教えてください。 回答
①ニュアンスの無い演奏について、音型に沿ってニュアンスを表現するということはとても難しいです。ここをどう伝えたらよいでしょうか。 →演奏意欲があり気持ちは伝わりますが、少し音色が一本調子に聴こえています。音が少し硬いようなので、気をつけて表現しましょう。 ②バランスと重なりについてどう表現したらよいでしょうか。 →バランスというと、左手を弱くすれば良いと勘違いしている人が多いですが、弱いだけではダメ。バランスをとることと和声を表現することを同時にすることが大切です。左手が小さい響きが薄くなり結局は和声的にならないことが多いです。左は小さいながらも芯があり、響く音でないと重ならならないことを伝えましょう。 ③リズムが転んでいる演奏について拍感がないということ。やんわりと伝えます。 質問 点数配分の目安について教えてください。 回答 どこにポイントをおいて点数をつけるかは審査員により違います。おおよそ8.8 8.5 8.3ぐらいに分け、自分なりの基準で採点します。最初の数人はすぐに点数は付けないであとから基準がハッキリしてから判断します。迷う点数には印を入れておき、あとで調整します。 質問 ミスをした演奏はどのように点数をつけますか。 回答 ミスをしても優れた演奏と、ミスをしなくても魅力的に弾けていない演奏もあります。ミスがあっても良く弾けている演奏には少し減点はするとのの、それなりの点数をつけます。丁寧に弾いているが魅力がない演奏とは何もない、抑揚がない、拍感がない、拍子がない→お経のような演奏このような場合は、ミスがあった人よりも低い点数になることもあります。 質問 コメント用紙の裏側まで書くのはどういう時ですか? 回答 ステップなど、受験生の方などにバッハや古典の演奏などについて詳しく書きます。 質問 審査員をするために、語彙が少なく自信がありません。おすすめの本や教材があれば教えてください。 回答 レッスン時に自分の生徒さんに的確な言葉で説明する練習を普段からしておきましょう。何でも慣れることが大切です。普段のレッスンが大切です。レッスンを頑張っていれば実は仕事も広がります。 まとめ 審査員として的確な採点や良いコメントがかけるためには、日頃のレッスンを頑張ることが1番大切です。レッスンでは色々なアイデアが浮かびます!それが1番の勉強になります。審査経験参加やセミナー参加だけでは指導力や審査員としての実力は伸びません。特にレッスンでは、生徒さんを「弾きやすくして返す」ことが大切です。
演奏がスムーズではない時には何かしら弾きにくい原因があるはずです。・テクニックが行き届いていない?・表情が出ない?・身体がこわばっている?・メンタルが落ちている?など、原因を探して温かい言葉で指導しましょう。何よりも普段のレッスンが大切で勉強の場です。
今回審査体験に参加して「審査」のスキルを磨いていただくことを第一に、そしてそこで満足いただくのではなく、この経験を通して「次に何ができるか」を考えていただきたいと思い、さまざまな準備を行いました。アンケートでは、具体的に参加された先生方のこれからの未来像を思い描いていただきやすい質問を盛り込みご用意しました。 アンケートには以下のような回答をいただきました。
今回も参加された先生方のお陰で有意義な審査体験会を開催することが出来ました。 お昼休憩時のディスカッションでは、コンクールの演奏を通して我々指導者側の指導力や勉強の深さが問われているという事を再認識いたしました。 演奏に必要な多くのことをどれだけ生徒たちに伝えられているかを考えさせられました。日頃のレッスンが全てに繋がっているというまとめも、当たり前のようですが新しい発見のような思いです。開催側のわたくしも大変勉強になりました。 ご参加、ご協力くださいました皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
ブルグミュラーコンクール
神戸大会神戸地区 主管 ピティナ甲子園支部 副支部長 本田真貴子
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